モンテッソーリ教具の円柱さしは、感覚教育をはじめるさいに、一番最初に使用される感覚教具。
ハーフサイズであれば手に入れやすく、遊び方もシンプルで簡単なので、お家でモンテッソーリ教育をやってみたい!という方に人気の教具です。
そんな円柱さしですが、ねらいと効果についてきちんと知っていますか?

円柱を差して、はい出来た!上手だね~!で終わってない??
モンテッソーリ式の教具を使うなら、促し方や教具のねらい、効果について知り、子どもと効果的に遊びましょう!
この記事では円柱さしのねらいと遊び方、効果について解説。
- 感覚教育とは?
- モンテッソーリ教具の基本の操作方法
- 円柱さしのねらいと遊び方
モンテッソーリ式の感覚教育についても分かりやすく解説します。
この記事を読めば、円柱さしで効果的に遊べるようになりますよ!

そもそもモンテッソーリ教育って何?

まずモンテッソーリ教育について、簡単に解説しておきます。

知ってるよ~って方は飛ばしてくださいね!
モンテッソーリ教育とは?『子どもの内なる力』に注目
モンテッソーリ教育は、イタリアのマリア・モンテッソーリ博士が考案した教育法のこと。
- 子どもの内なる力に着目
- 発達に見合った環境を重要視する
- 大人は教えるのではなく、サポートする
モンテッソーリ教育では子どもの内なる力に着目しています。
赤ちゃんは大人に教えられるわけでもなく、グングン刺激を吸収して成長しますよね。
モンテッソーリ博士は、子供には『自己教育力』が備わっていて、成長の原動力は子ども自身にあると考えました。
そして乳幼児期には「敏感期」が存在し、敏感期に適切な環境があれば、子どもがすごく成長することを見出したんです。

それらを実践・研究してモンテッソーリ教育を確立していったんですね!
「敏感期」とは、特定のものに対して集中し、敏感になっていて、その刺激を取り込みやすい時期のこと。
それは言語だったり、感覚だったり、運動だったり様々ですが、ここでは割愛します。
環境と大人の役割
モンテッソーリ教育の基本的な考え方
- 子どもには自己教育力が備わっている
- 乳幼児期にある『敏感期』
- 「敏感期」に合う環境を用意
- 「人的環境」と「物的環境」
- 子どもを観察し、理解する
- 子どもに適切な環境を用意する
- 子どもと環境を繋ぐ『橋渡し』をする
適切な環境は、「人的環境」と「物的環境」で構成されます。
「人的環境」は私たち大人のこと。
敏感期の子どもを、発達に見合った適切な「物的環境」と関われるように『橋渡し』する役割があります。
モンテッソーリ教育では、大人が教え込む必要はありません。
大人は子どもが「自分でやりたい!」と思えるような、自発的な活動を促すためにサポートしていきます。
大人は子どもの行動を観察して、今その子が何に夢中になっているのか、その子に何が必要なのか。
環境を用意し、援助する必要があります。

物的環境は、遊具や教具のこと!
感覚教育とは?
モンテッソーリ教育では幼児教育を5つの分野に分けています。
- 日常生活の練習
- 感覚教育
- 言語教育
- 算数教育
- 文化教育
その中でも感覚教育はそのあとに続く知的教育の土台となるといわれています。
五感が敏感な時期に感覚を洗練させることを感覚教育といいます。
赤ちゃんは0歳からいろんなことを感じて、吸収していきますが…
吸収してきた感覚の情報は蓄積されているだけで、それが何なのかはっきり分かっていません。
そこで感覚教具をつかって、情報を整理していきます。
- 「丸はこんな形で、三角形は尖ってるんだ」
- 「こっちより、こっちが大きいな」
など、見たり触ったり、嗅いだり…感覚教具を使って、実際の感覚を洗練させていくんですね。

感覚を洗練させることが重要なのは、いろんな情報を整理したり考えたりするときに、五感を使って情報を脳に取り込むからかな。
感覚教育デビューは円柱さしから!お家でのお試しにピッタリ

円柱さしは感覚教育をはじめるさいに、一番最初に使用される感覚教具です。
そのためお家での感覚教育デビューにピッタリ!
ここからは円柱さしについて解説します♪
円柱さしはいつからできる?ねらいは?
モンテッソーリの円柱さしは、2歳半~3歳ごろから。
円柱さしのねらいはズバリ、視覚を刺激して、目から入る情報の感覚を洗練させること。

円柱の大小、太い細い、高い低いを判別して情報を整理させるための教具だよ!
その他にも嬉しい効果として、次の3つが挙げられます。
- 指でつまむ動作の練習
- 算数教育につながる
- 自己訂正を促す
指でつまむ動作の練習
円柱さしには小さな球がついていて、そこをつまんで操作するようにできています。
親指、人差し指、中指の3本で、つまんで操作するように促してあげてくださいね。

まずは大人がやって見せてね!
算数教育につながる
とはいっても、実際に「数えてみて」と言って数を教えるわけではありません。
円柱の個数や長さ、大きさ・重さなどを見たり動かしたりすることで、量の変化が自然に感じ取れるようになっています。
自己訂正を促す
子どもが自分で間違いに気づき、訂正していくこと。
モンテッソーリ教育では、これを『間違いの自己訂正』と呼びます。
円柱さしは正しい穴に入れないと、ぴったり収まらないようになっています。
子どもが自分で間違いに気付きやすいようになっているのも、円柱さしの特徴なんです。

自分で間違いに気づけるというのは、すごく大切な能力なんだよ。気づきを促す教具でもあるので、見守るのも大切♪
その他にはどんな教具があるの?ピンクタワーも有名!
他にはどんな教具があるか、感覚教育に使われる人気の教具の例を見てみましょう。

円柱さし以外の教具を2つご紹介!
ピンクタワー
ピンク色の10個の木製の立方体の教具。
視覚を刺激する感覚教具です。
立方体の各辺の長さは、1cm~10cmのもの。1cm刻みで大きさが違います。
円柱さしで十分に遊んだ後に使います。

ゆる~く自宅で取り組むくらいなら、コップ重ねでも代用できそう!
雑音筒
音の違いや強弱を聞き比べる、聴覚を刺激する感覚教具です。
筒の中に砂や小石を入れて作ります。

雑音筒や嗅覚筒は、手作りする人も多いと思うな~。私もやるつもり!
教具の役割はシンプル。ねらいや目的を把握しておこう
モンテッソーリ式の感覚教具は、その役割が凄くシンプルです。
余計な刺激を与えないようにすることで、ある特定の感覚がしっかりと整理されるように配慮されているんですね。

目的を把握しておくと、子どもに声をかけるときに自然と正しく促せるようになるよ~。
円柱さしで遊ぶ前に!基本を押さえると自信をもって促せる!

さぁ、実際に円柱さしで遊んでみよう…
の前に、ちょっと待った!
モンテッソーリ教具をせっかく使うなら、遊び方や大人の役割も確認しておきましょう。
感覚教具の基本の操作方法
モンテッソーリの感覚教具は、基本の操作方法があります。
教具の基本の操作方法を押さえておくと、遊び方の提示もしやすくなりますよ。
- ペアリング:2つのものを比較して、ペアをつくる
- グレーティング:3つ以上を比較して、段階づける
- ソーティング:3つ以上のものの中から比較して、分類する
モンテッソーリの感覚教具はどの教具も、ペアリング(ペア)、グレーティング(段階)、ソーティング(分類)のうち、一つ以上の遊び方ができるようになっています。
感覚教具の操作は『ペア、段階、分類』と覚えておこう
大人の役割
大人の役割は主にこんな感じ。
- 環境を整える
- やって見せる
- 見守る
環境を整える
環境を整えるとは、子どもが選択できたり、集中できる環境を準備すること。
子どもが自分でおもちゃを選べるような収納にしてあげたり、おもちゃで集中できるように、遊びはじめるときに足りないものがないか確認してあげましょう。
やって見せる
始めて教具を使うときは、大人がやって見せてあげてくださいね。
教具は正しい使い方をすることで、役割を十分に発揮できるようになります。
ゆ~っくりと、遊び方を見せてあげるだけでOK。
環境である教具と、子どもの『橋渡し』をしてあげましょう。
見守る
子どもが迷っているとついつい「ココはこうだよ~」とか口に出したくなりますが…
モンテッソーリ教育では基本的には見守るスタンス。
子どもが助けを求めたら、援助してあげてくださいね。

私は一緒に遊びたくてついつい構っちゃうから、我慢するのが結構辛い!
モンテッソーリ式・円柱さしの遊び方
では、円柱さしの遊び方を紹介します!
円柱さしのセット内容

円柱さしは、丸いつまみのついた10個の円柱と、10個の穴を持つブロックのセットです。
正規とされるセット数はA、B、C、Dの4セットからなり、それぞれ円柱の高さや太さが違う内容になっています。
\ ハーフサイズはコチラ /

円柱さしの遊び方
円柱を穴を差して遊ぶだけでも視覚の情報整理になります。
上手く差せるようになったら基本の操作方法のように、大きさや太さ、体積などを比べてみましょう。
- 円柱だけを使って、「大きい(高いまたは太い)順に並べてね」
- 円柱を一つ抜き出して、「これと同じ大きさ(高さまたは太さ)のものはあるかな?」
- 円柱を一つ抜き出して、「これがピッタリ入る穴はどれかな?」
その他にも、
- 円柱を素早くさすのを競う
- 円柱をランダムに組み合わせて、どの組が重いか重さを計って比べてみる
と、少し難しい遊びをしても良いかもしれません。

やり方はあなた次第かも!?
お家で遊ぶんですから、とことん自由に遊んでOK!
のびのび遊んで、子どもの感覚を洗練させていきましょう!
正規サイズは高すぎる!安いものや代用品は?
正規サイズは、円柱10個×土台4セット。
価格の相場は大体2万円からです。

お家で気軽にできる値段ではないね…。
代用品…というよりは、ハーフサイズのものが手に入れやすい価格で販売されています。
ハーフサイズの円柱さしは、円柱の数が5つと半分になってしまいますが、セット数はきちんと4つ。
太さや大きさの変化を感じたり、つまんで指先の発達を促すには十分ですよ!
\ ハーフサイズはコチラ /

お家での導入にはちょうど良さそう!
円柱さしはレンタルもできる

円柱さしはレンタルで試すこともできます。
モンテッソーリ教育の教具(いわゆるおもちゃ)は、シンプルなつくりのものが多く、大人がうまく促さないと興味を示さない子も。

せっかく購入しても遊んでくれないと悲しいし、損した気分になるよね…
ハーフサイズでも購入になかなか踏み切れないという方は、レンタルがおすすめ。
トイサブ!では3歳ごろからの知育玩具として、円柱さし(シリンダーブロック)が公式サイトで紹介されています。
円柱さし以外にも、

モンテッソーリのおもちゃをレンタルしたい!
とリクエストすると、別のモンテッソーリ式のおもちゃを紹介してくれたりもします。

レンタルサービスのメリットは、購入しなくてよいことのほか、プロが発達に合ったおもちゃを選定してくれるところ。
気になる方は公式サイトを覗いてみてくださいね。
\ 公式サイトはこちらから /


まとめ

円柱さしについて解説しました。
モンテッソーリの感覚教具はシンプルで、その目的もはっきりしています。
円柱さしも、ただ差す動作を促すのではありません。
大きさ、高さ、太さなど、視覚的な情報を整理して洗練させる効果があることがわかりましたね。

教具の基本を押さえておくと、より効果的に子どもと遊べるし、遊びのバリエーションも増えるんです。
楽しく効果的に子どもと遊んで、発達を促してあげましょう♪
\ ハーフサイズの円柱さしはコチラ/
\ 正規サイズの円柱さしはコチラ /
参考:2023.日本モンテッソーリ教育綜合研究所.『モンテッソーリ教育とは』
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